その1 ~定義にまつわること~

2006年に移住者が入居するまで十数年間空き家だった家

コラム

越前浜には、現在自治会で把握されているもので約60軒の空き家があります。ここでいう空き家とは、そこに人が住んでいない状態のものを指しています。しかしながら、それぞれの人の認識や定義は様々です。ときにそれが空き家対策時のボタンの掛け違いにつながることもしばしばです。

約60軒の越前浜の空き家ですが、人が住んでいないとはいえ、その多くはまったく使われていないわけではありません。お盆のお墓参り、親戚の法事の時だけ帰ってきて数日そこで寝泊まりされるところもあります。またゴールデンウイークや夏休みシーズンに別荘代わりに使っているところもあります。物置としてだけ使っているところ、定年後のUターンの可能性のために定期的に手入れをしているところもあるようです。

2006年に移住者が入居するまで十数年間空き家だった家

2006年に移住者が入居するまで十数年間空き家だった家

昨年「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。そこにはこうあります。

第2条(定義)
この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。 ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

この定義からすると、越前浜自治会でいうところの空き家のうち「セカンドハウスとして使っているもの」や「物置として使っているもの」は、その法でいうところの空家に含まれないようです。
そのあたりの整理については、別の機会に触れることとします。

【次回の案内】
越前浜の「空き家」について その2 〜 地縁 〜
越前浜では、集落外つまり他所(よそ)のことを「世間(せけん)」といい、引っ越していった人たちのことを「世間に旅(たび)に出ている」と表現します。ここから読み取れるものは、越前浜での空き家を考える上で、とても重要なポイントになると考えられます。