[ 耕作放棄地対策委員会 ] 報告

報告書

1. 農業の現状と課題

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現状(対策前)

(1) 越前浜の農業概況について
①集落規模:世帯数256戸、人口730名(平成27年1月末現在)、農家組合員111名
経済成長とともに、新たな職場が周辺に誕生することで農業に見切りをつけ、勤めに出る兼業農家が増えた。平成時代に入っては、農家組合員(農地を有する世帯)は111軒、主業農家は10軒強に留まる状況となっている。

②農地面積 (H26年12月現在)
:畑1,811,569.32㎡ (うち農業振興地域面積:1,384,773.26㎡、76.4%)
:田 325,842.86㎡ (うち農業振興地域面積: 322,539.86㎡、98.98%)
:畑+田 245,570㎡ (うち農業振興地域面積:把握なし)(農地割合 11.5%)
当地内の耕作放棄された農地面積に占める割合は11.5%であるが、同じ26年度西蒲区内の耕作放棄面積に占める当地内の割合は70.7%と高く、約2/3は越前浜の耕作放棄地が占め、異常な数値と言える。また、近年、大規模農家の離農による耕作放棄地も増えてきている。
佐渡・弥彦国定公園内に位置し、農地の基盤整備・整理がされていない。(圃場は昭和30年代に耕地整備したもの)。従って、暗渠排水や用水配管な農業インフラの整備が不十分で、低地部は古今から地下水の上昇によって湛水被害が起きている

(2)  砂丘地園芸農業の現状
当地内の主業農家が耕作する平均面積は、一町六反程。露地栽培、トンネル栽培、ハウス栽培などを行う。園芸農産物の栽培は作業工程が多く、稲作に比べて手間のかかるため、農家の規模拡大には至っていない。また、高性能な農機具の入れ替え費や維持管理費、園芸野菜の出荷梱包資材費の増大が負担となっている。

1 主に家族経営、高齢化等でほとんどは農業・営農に対して魅力と将来の夢が描けず、後継者不足である。
2 農業には、肥料・農薬・耕作資材・出荷梱包資材・農機具など必要経費が増えている。
3 栽培農産物の価格安定と販路の拡大が他人任せであり、栽培品目の信頼が不明朗である。
4 地元消費者は、スーパー購入がほとんどで、地域農業は、地元に反映していない。
5 農業者の体力低下や生産の効率性から、耕地面積が縮小している。
6 農地の資産価格が低下傾向にあって、資産効果が発揮できないでいる。
7 効率的な営農のためには農機具のリース化等、これまで以上の経営手腕が必要である。


2.今後の農業振興策及び耕作放棄地解消策

地域農業の衰退を防ぐためには、一定の耕作者が必要であり、かつ持続性のある産業として発展していく必要がある。就農者の育成と遊休農地の解消は喫緊の課題である。

(1)就農者の育成、農業振興について
1 地域の農業大学校と連携し、農業の担い手の受け入れを図り、当地内の就農にあてる。
2 助成制度を活用し、園芸農業の技術を磨き、収益力向上につなげる。
3 研修生の受け入れによって農業資産の活用を図る。(離農者の用具・機械の活用等)
4 経営効果を上げるため、法人化を図る。
5 即売会や催しを企画し、地域農業の良さを提供していく。
6 JA提携等により、借入等の資金運用の条件整備を行う。

(2)耕作放棄地の解消対策について
当地内が占める西蒲区内の耕作放棄地70.7%の解消策が求められる。そのために、
1 生産性の向上と規模拡大を図るため、農地の基盤整備を推進する。01

2 農業法人の参入を求め、農地の有効活用を図る。02

3 砂丘地農業、園芸野菜の栽培法人・企業を誘致する。04

4 市民農園を拡充し、家庭菜園人口の呼び込みを図る。
5 下谷内等の湛水農地対策を喫緊に推進する。 ―写真3-
6 農地借用者の発掘とそのための手続きの簡素化を図る。
7 その他
農業試験・研究所の誘致、再生可能エネルギー発電の導入、放牧場、果樹園